「LEE」は高等部2年生を対象に、2015年から始まった英語で学ぶ総合学習です。
グローバル社会が進行している現代において、日本あるいは日本人として、どのような役割を果たせるのかが問われる時代に入っています。このような社会は、世界の中でも、とくにアジアや環太平洋地域とのつながりはより一層強まっていくものと思われます。異なる文化の人たちの考え方、文化を受け入れる力をつけることは、国際的な教養力をつける上で大切な基礎になり、国際社会で活躍できるグローバルリーダーの基礎ともいえます。
マオリー民族
現地大学生との交流
ビーチ
そこで「LEE」では、多様な文化やその文化をもつ人々に触れながら、英語を使い、リベラルアーツ教育を現地の大学で現地の大学生を交えて学びます。リベラルアーツとは、幅広い知識を身につけ、異なる考え方やアプローチ方法が理解できるような総合力とされています。実社会で活躍できる総合力のある人間の育成が目標です。
当然ながら、数泊の研修で英語力、コミュニケーション力、その国のすべての文化などを学習することは不可能です。一方で、行かなければわからないこと、直接話すことで理解できること、現地を訪れることで関心や興味のきっかけになることはよくあることです。そこで、従来行われてきた研修旅行(修学旅行)とは趣を変え、総合学習の集大成として海外の大学で学びます。生徒たちがこれまで日本文化体験やプロジェクトスタディーズ(PS)の総合学習で学んだプレゼンテーション力などを活かすことができます。
「LEE」は、シンガポール(南洋工科大学/国立教育院)、ニュージーランド(マッセイ大学)、大分(立命館アジア太平洋大学)の3コースからなります。2015年度の生徒たちは選択したコースに9月26日~10月3日(大分コースは9月28日~10月2日)のスケジュールで行ってきました。
シンガポールは、中国系、マレー系、インド系の人々が共存し、多様な文化の中で革新的な政策により、国際的地位を確立している国として知られています。アジアの金融センターとして日本企業も多く進出しています。ニュージーランドは、先住民のマオリと移民である人々が共存し、世界の中でも早期に多文化社会を確立してきた国です。農業国として環太平洋地域と強く経済的に結びついています。いずれの国とも第二次世界大戦において日本との歴史的背景がある中、その負の側面を乗り越えて、相互に交流が盛んになっています。 大分では、世界各国からの留学生が多く在籍し、英語による講義を行っている立命館アジア太平洋大学で学びます。
終了後に参加者が英語の授業でLEEについてのスピーチをしています。スピーチの一部を紹介します。
LEEニュージーランドコースでは、昨年と同様にオークランド近郊のマッセイ大学を訪れました。大学での英語による講義とあって、生徒たちは不安でいっぱいだったようですが、現地の先生が各々の生徒のレベルに合わせたわかりやすい授業を展開してくれたお陰で、よく理解できたようです。「マオリ文化」「移民・難民」「再生可能エネルギー」とどれもニュージーランドにとって重要な課題となる項目をテーマとして日替わりで学び、最終日には先生方やスタッフを前にした英語プレゼンで締めくくりました。
英語講義とともに生徒の不安要素だったのがホームステイ。ところが、いざステイが始まると、毎日生徒同士でお互いのファミリーの様子を笑顔で報告し合うなど、不安などどこかに飛んでいってしまったように交流を満喫していました。
当初は色々な意味で英語づけの日程に戦々恐々としていた生徒たちでしたが、帰国してみれば「楽しかった」「ニュージーランドコースで良かった」と高評価の発言ばかりが聞こえたところからも、通常ではなかなか得られない貴重な経験ができたのではないでしょうか。
シンガポールコースは、シンガポール特有の多民族国家である環境をいかし、多文化共生や観光業の発展、戦争の歴史や日本との関係性、また環境問題・環境開発についてなど、魅力的なテーマに沿って学習することができるコースです。1日目はセントーサ島で戦争跡地を見学し、自由散策を楽しみます。2日目以降は、午前中、南洋工科大学で学生とのディスカッションやさまざまなアクティビティを通じて交流を深め、午後は戦争関連の跡地を巡ったり、リトルインディアやモスクなど多文化を感じる観光名所を散策します。
また、ユニークな水処理施設の訪問や、大学見学ツアーなどもあり、内容盛りだくさんです。もちろん、マーライオンとも写真を撮り、美しいマリーナ・ベイ周辺を歩いてシンガポールらしさを満喫することができます。積極的に現地の人と関わろうとする意欲があれば、多くのことを学び、貴重な経験ができます。
市内観光
モスク訪問
大学での研究
大分コースはAPU(立命館アジア太平洋大学)を訪れ、APUの留学生と5日間一緒に過ごします。前半のプログラムは、様々な課題について何度もグループで話し合います。自分の意見を伝え、相手の考えを受け入れ、そして1つの考えをまとめ上げ発表します。これを英語で毎日行います。別府温泉の鉄輪でのフィールドワークも人気です。後半のプログラムは、安心院にて留学生と24時間一緒に過ごす民泊を行います。学園では体験できない農作業や民芸品作成などを体験し、地元の方々と地域の問題などを学びます。どの家庭でも温かな交流や貴重な体験をし、とても有意義な時間になりました。
僕たちが普段相槌を打つときに「うん」と言うのが「Yeah」に変わってしまうくらいには英語を使わされます。頑張ってください。
LEEでは大学での活動ももちろん楽しかったのですが、同じくらいに民泊体験も楽しかったです。芋ほりや栗拾い、アケビを食べたのも全部初めての体験で、とても新鮮でした。普段離さない同級生や留学生の方ともたくさんお話や活動ができ、非常に有意義な時間を過ごせたと思います。
I really enjoyed the discussions we had during our program in APU. Since the schedule was very well balanced, I was able to take the experiences I had into consideration when discussing the agendas we were given, and when we made our presentation as a group. Also, our stay in the Minpaku turned out to be a very memorable one, since it was my last chance to be able to spend the night together with my closest friends in Kumon. I also became good friends with the students in APU, and hoped that we’d somehow manage to cross paths someday.
地獄蒸し
留学生との交流
地熱発電施設見学