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2016年度の模擬国連について(2)

2017.6.6

続いて、3つの決議案のうち、2つが可決、1つが否決された、すべて英語で議論するMUNK International会議の模様をお伝えしよう。事前にMUNK(日本語会議)で培った知識や交渉力を糧に、更に深められた議案を踏まえて、各国大使は、本物さながらの国際的会議に臨んだ。
日本語会議と英語会議のこの2ステップを踏むシステムが、本校の国際教育活動の強みである。本校の生徒はもちろんのこと、遠方から参加した招待校も、この2ステップに賛同してくれているので、今後の進展に期待したい。
MUNK International会議では、影響力のあるロシアや南アフリカの国々を率いたメインサブミッターのイスラエル大使が、最近のDPRK(朝鮮民主主義人民共和国・北朝鮮)の核実験や核開発について、核拡散防止条約(NPT)や包括的核実験禁止条約(CTBT)交渉から忌避し、無視したそれらの行為に警鐘を鳴らした。核兵器不拡散に関する条約のNPTは、多国間の軍縮条約の中でももっとも普遍的な条約で190カ国が参加しているが、DPRKはNPT から脱退する決定を行い、国際社会にとって大きな懸念となったためだ。

イスラエル大使は、安全保障理事会が、DPRKに対する交渉をより一層促進するものとして、次の3協定案を提示した。
a.DPRKが核開発に関する6カ国協議の再開に応じる
b.DPRK がIAEA(国際原子力機関)の議定書にある保障措置協定に基づき、核物質を核兵器やその他の核爆発装置に転用しないという国際約束の履行を検証する措置保障に従う
c.DPRK がNPT(核拡散防止条約)とCTBT(包括的核実験禁止条約)の責務を果たす

核兵器の実験・製造に必要な高濃縮ウランとプルトニウム(核の爆破装置に利用される核分裂性資源)の生産、および、他国への輸出と技術供与の禁止を目指す多国間条約であるFMCT(核分裂性物質生産禁止条約)の早期国際交渉の開始・妥結を強く要請した。この決議案は可決され、メインサブミッターを務めたイスラエル大使(東京インターハイスクールの代表生徒)は、MUNK International会議で最も活躍したことを表す“Best Participant賞”を受賞した。
受賞といえば、英語会議でセッション3の議長を務めたMUNK実行委員(高等部2年)の指揮能力の高さが圧巻であった。